三共のカム技術

ローラドライブは、速度・精度・剛性・耐久性に優れたローラギヤカム機構を応用した、出力軸1回転の全領域で『ゼロバックラッシ』を実現する究極の高性能回転位置決めユニットです。

ローラドライブは、スクリュー形状をした入力軸(ローラギヤカム)とローラフォロアが放射状に埋め込まれた出力軸(タレット)で構成されていて、それぞれの軸が直交にレイアウトされています。ローラフォロアはくさび形状をした入力リブ表面に予圧状態で接触しており、入力軸側の調整機能によって、バックラッシ(がたつき)を完全に除去される構造です。ローラドライブでは複数のローラフォロアが入力リブと予圧状態で噛み合うため、入力一回転の全域でゼロバックラッシを実現します。ローラフォロアはニードルベアリングタイプを用いることで、バックラッシの無い予圧状態においても力をすべり接触ではなく、転がり接触で伝達するため90%以上の効率と製品寿命中に磨耗しない耐久性を実現しています。 この構造により高速・高精度位置決め、高剛性、コンパクトでしかも磨耗せず長期間安定した精度を維持することから、工作機械をはじめとしたFA 装置に幅広く採用されており、特に多品種少量生産において、割出し角度に汎用性を持たせ任意に変更したい場合にも、抜群の速度と精度で位置決めを行うことが可能です。
機構
構造

※音声が出ますのでご注意ください。
予圧メカニズム
予圧
くさび形の入力軸リブがローラフォロアに予圧状態で接触しバックラッシを完全除去。予圧は入力軸側の調整機構によって調整されます。
入力軸
合金鋼製入力軸は厳しい精度を満たす為、最新の加工理論と設備により製造。高速回転時の自励振動を抑えるためのバランシングも施されています。
ローラフォロア
転動体軸受け構造で、回転しながらトルクを伝達。転がり接触なので、長期間使用しても初期精度を半永久的に維持します。
特長
  • 独自の予圧機構により、回転中/停留区間の全区間にてバックラッシが無く、任意の角度で位置決めが可能。
  • 高速運転が可能で位置決めが正確
  • 剛性・耐久性に優れている
回転精度
ローラドライブはゼロバックラッシ・テクノロジーにより、上グラフに示したように、どちらの回転方向(CW方向 CCW方向)においても優れた回転精度と剛性を約束します。
応答性
バックラッシのある機器や、応答性が劣るモーション機器では、動的な精度悪化や挙動の乱れにより制御指令通りの動きを作れず、必要な性能を得る事が困難です。ローラドライブは、ゼロバックラッシ・テクノロジーによって入力制御指令に忠実な出力動作を作りだします。
使用例
ローラドライブ機構とウォームギヤ機構、ダイレクトドライブモータとの比較
  ローラドライブ機構 ウォームギヤ機構 ダイレクトドライブモータ
バックラッシ 5 独自の予圧機構により、回転中の
全区間にてバックラッシなし
2 すべり伝達機構のため、すべりが
許される最小限のスキマが必要。
- 機械的な噛み合いがないので、
バックラッシの評価はない。
位置決め
精度
4 バックラッシがないため、位置
決め精度がよい
2 バックラッシが位置決め精度に
影響する
5 エンコーダに依存
速度 4 バックラッシがないため、高速
位置決めが可能
3 バックラッシがあるため高速
での位置決めは難しい
5 負荷が小さければ高速
剛性 5 重量物を高速で位置決め可能 3 高速での位置決めは苦手 1 重量物は苦手
発熱 3 転がり伝達により発熱量は
少ない
2 すべり伝達のため、発熱量は
多い
1 回転中/停止中においてコイルに
発熱が伴い、温度上昇が生じる。
保守性 4 メンテナンスフリー
(オイル交換は必要)
2 メンテナンスが必要
(ウォームのバックラッシ調整)
5 寿命内であればメンテナンスフリー
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