道具展示
Tool display
ホモ・ファーベル(道具から機械へ)
人類の持つ創造性は、モノを作り、モノを作る道具を作り、モノを作る機械を作ったその代表たる道具を展示しています。
・石器・土器・勾玉[始まりの道具]
人類が作った道具で最も古くから存在し、打製石器や磨製石器がある。打撃や押圧剥離、研磨などにより製作された。
土器は粘土を素焼きしたもので、土器により調理や貯蔵、運搬ができるようになった。その製作には簡単な回転台も使用されたとされる。
勾玉は装身具として種々の材料を加工して製作された。製作は、打撃や押圧、研磨や、さらに穿孔が行われた。
穿孔には竹や鳥骨、石、鉄製の錐が用いられ、舞錐(弓錐技法)も行われた。
・百万塔[日本最古のロクロ製工作物]
現存する世界最古(神護景雲4(770)年)の大量印刷物である「陀羅尼経」を収めた木製経塔。鎮護国家を祈念した称德天皇により、
大小数種の百万基の経塔が約5年かけて百数十人の職人により製作された。ノミとロクロ挽きで外形と経を収める塔内部を削り出している。
これほど大量のロクロ製工作物と印刷物は、世界的にも時代的にも例がない。
・和時計[日本最初の金属製機械]
機械の最も基本的な定義は、「動力部」「伝達部」「可動部」そして「骨組(フレーム)」を持つことである。機械が狂い無く動くためには、
全ての部品に高い精度と強固な骨組みが必要となる。金属製の機械時計にはその条件が必須であり、
西洋では13世紀以降、時計の精度を高めるための金属加工用として工作機械が発達した。
日本には17世紀前後に伝えられ、世界で唯一の不定時法用機械時計として国産化された。
その加工は、工作機械がなかったため、ほぼ職人による手作業で行われ、精度や動力の点では限界があった。